起業家にとって、時間管理・タイムマネジメントは最大の課題のひとつです。
起業家、と言っても、ゼロから事業を起こすアントレプレナーだけではなく、自営業者、個人事業主、フリーランスといった方々も同様で、ビジネスに関わるあらゆる面に、ひとりで責任を持って実行しなければならない事業主は皆、時間管理・タイムマネジメントが課題となります。
何か大きな目標を掲げ、それを達成するために考え抜かれた計画を立てたにも関わらず、気づいたら計画の半分も終わらず1日が終わっていたり、なんとかやり遂げようと深夜になっても仕事をしていたりすることがあります。
誰しも、どのように時間管理を行うか、いつも悩み改善しようと試みています。最終的には、自分自身に合った時間管理方法を、試行錯誤しながら見つけるしかないのですが、ここではそのヒントとなる10の戦略を紹介します。
ビジネスを運営しながら時間を管理する戦略10選
- 早起きする
- テクノロジーを利用する
- 人に任せる
- 自動化する
- 優先すべきタスクに集中する
- タイムブロッキングを活用する
- ひとりになる
- よく食べる
- よく寝る
- 執着しない
1. 早起きする
夜遅くまで仕事をした次の日、午後に起きると「時間を無駄にした」とか「もう今日も終わりだ」などと焦りを感じることがあります。実際そのとおりで、活動時間の半分が過ぎ去っています。
その逆に、早起きをすれば、1日が終わるまでとても長い時間があるのに気づきます。そして、誰にも邪魔されない中、集中できる時間を何時間も確保できます。
朝の時間に集中するには、毎日のルーチンを決めておくことです。これは、クリエイティブな成果物を作り上げていくクリエイティブワークフローに不可欠です。
2. テクノロジーを利用する
時間管理・タイムマネジメントに役立つツールは星の数ほどあります。オンラインカレンダーやタスク管理アプリケーションなどを使い、プロジェクトをタスクに分解して効率的にタスクを消化していけます。スマートフォン用のアプリもありますので自分に合うものを見つけるまで使ってみるとよいでしょう。
これらのツールは、時間を追跡できるので、都度調整していくことができます。ただし、複数のツールを使うとツールを使うことが目的となって逆に効率が悪くなったり、ツールが気になって気が散るので、ほどほどにしておきます。
3. 人に任せる
自分のためにひとりで仕事をしていると、何でも自分ひとりでやってしまおうとしがちです。しかし、人に任せることも、ビジネスを成長させていく上では重要です。タスクが溢れる前に、従業員がいれば従業員に任せ、従業員がいなければアシスタントを雇うなどして仕事を代行してもらいます。
自営業者にとっては、自分の時間こそが重要です。より重要な仕事に集中できるように、自分の時間を食いつぶす作業は、他の人に任せることを考えます。
4. 自動化する
労働集約的なタスクは、できる限り手作業では行わず、自動化することを考えます。Twitterなどソーシャルメディアの投稿、ニュースレターの送付、データの収集や集計などは、自動処理できるソフトウェアやサービスを探して対応します。
5. 優先すべきタスクに集中する
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見したパレートの法則としてよく知られているとおり、成果の80%は20%の原因からもたらされます。この法則は、あらゆるシナリオに適用できるというわけではありませんが、経験的に、ある程度は正しいものとして、多くの理論に適用されています。
20%のタスクが成果の80%を叩き出すのですから、80%のタスクにかける時間を最小限とするか、きっぱりとやらないことにして、20%のタスクに集中します。これによって生産性を高めることが可能となります。
6. タイムブロッキングを活用する
特定の時間枠に特定のタスクを割り当てることで、それ以外のタスクに邪魔されずにそのタスクを遂行できるタイムブロッキングを活用します。集中すべきそのタスク以外、例えば、電話、メール、チャット、誰かからの相談など、他のタスクはすべてブロックします。
7. ひとりになる
スマートフォンの電源を切り、ドアを閉め、ヘッドホンや耳栓をつけ、あらゆる雑音をシャットアウトして、完全にひとりになります。そうすることで、集中すべき優先タスクの生産性を高めることができます。
8. よく食べる
脳も体の一部ですから、脳の最高の状態で稼働させるために、栄養が偏らないよう、きちんと食事を摂り、栄養ドリンクやコーヒーに頼らないようにします。気分を高め、頭が冴えるようにするには、食生活の改善が有効です。
9. よく寝る
食事と同様、睡眠もまた重要です。睡眠をしっかり取らないと、朝起きても頭が冴えず、集中力が続きません。カフェインなどは一時的な効果しかありませんので、まったく無意味です。
深夜まで仕事をせず、仕事をしない休息日を必ず設けるために、タスクを詰め込みすぎないことが肝心です。長時間の労働は、時間の質が下がり、労働生産性が悪くなって、仕事がはかどりません。
10. 執着しない
時間管理は、経験豊かな自営業者、起業家にとって、非常に難しいものです。様々な方法を試しては、失敗します。最善の方法は、良さそうなルーチンを試し、それが効果的かどうかを試すことです。うまくいかなければその方法には執着せず、自分に合ったものが見つかるまで、ルーチンを調整していきます。
すべての人に共通で効果的な方法はありません。時間を記録したり、経験者に相談したり、本を読んでアイディアを採り入れたりして、様々な方法を試し、仕事の生産性にどのように影響するか、根気よく確認していくことです。
新しいルーチンを作成する
仕事をする時間を増やしたいと考えているのであれは、それはやめるべきです。時間を増やすのではなく、時間の質を高めることを考えます。
ルーチンが重要なのは、一日をどのように過ごすかという基本的な枠組みを決めることで、未来の予測がつきやすくなり、管理しやすくなるからです。
朝6時に起きて、紅茶を飲むだけで、一日のスタートが気分良く切れるかもしれません。朝5時に起きて、散歩をしながらその日の時間管理を考えるのも良いかもしれません。
いずれにしろ、毎日のタスクを時間通りに達成するために、自分に合った時間管理の方法を見つけなければなりません。試行錯誤を続けていれば、時間管理の達人に一歩ずつ近づきます。