リード、プロスペクト、オポチュニティという用語は、セールスやマーケティングでよく使われています。これらの用語は業界や製品・サービスや各企業で用いられ方がまちまちですので、違いを理解するのが難しくなっています。
技術職方面のフリーランス・個人事業主は、技術の習得に熱心なのは結構ですが、不得意分野も習得していかないと、フリーランスとは言え事業主なのですから、事業を立ち行かせるのも難しくなってしまいます。
日本のフリーランスの数倍の年収を得ているアメリカのフリーランスは、納品物を作成する作業と同じくらい、ビジネス構築や管理業務に時間を費やしています。
ここでは、3つの用語の定義、セールスファネル内での位置づけ、そしてより多くの顧客を獲得するための最適な取り組みについて説明します。
リードとは何か?
リードとは、顧客になる可能性のあるターゲット顧客のことです。
リードはターゲット市場にいますが、企業側は、まだ彼らのことをよく知りませんが、例えば、プル・マーケティング戦略によって、Webサイトのフォームに記入するよう促された後に、リードが目に留まることがあります。
適切なリード管理を行うことで、リードを販売プロセスで育成する(ナーチャリング=問題解決を支援する)ことで、リードから顧客に変える可能性が高まります。
リードには戦術によって様々な分類があります。

コールドリードは、その時点で顧客になる可能性が非常に低いリードを指します。コールドコールを受けて拒否するようなリードで、自らアプローチせず、製品やサービスに関心を示していない状態のリードです。
ウォームリードは、ブランドやマーケティングチャネルに定期的に関わり、ニュースレターに登録するなど、販売している製品やサービスに興味を示しており、顧客につながる可能性のあるリードを指します。
ホットリードは、問題を解決してくれるものとして、製品やサービスに非常に興味を持っていて、顧客になる可能性の高いリードを指します。ホットリードは、BANTメソッドを満たす適格リードです。
適格リードにはマーケティング適格リード(MQL)、セールス適格リード(SQL)、製品適格リード(PQL)などがあり、適格とされたリードはプロスペクトとなります。
プロスペクトとは何か?
プロスペクトは、見込み客のことで、ファネルにおいて適格が確認されたリードとなり、マーケティング主導の文脈ではMQLが、販売主導の文脈ではSQLが、製品主導の文脈ではPQLが、それぞれ見込み客です。

オポチュニティとは何か?
オポチュニティとは、販売機会のことで、顧客一歩手前の状態です。販売適格リード(SQL)を通過した販売承認リード(SAL)などと呼ばれることもあります。
リード、プロスペクト、オポチュニティの違い
リード、プロスペクト、オポチュニティ、いずれも潜在顧客ですが、最終的に顧客になる可能性の度合いが異なります。
製品やサービスの購入を、リードに打診するより、オポチュニティに打診したほうが購入してくれる度合いが高いことになります。
リードとプロスペクトとの違い
リードはセールスファネルの上部に位置する潜在顧客で、適格性が確認されるとプロスペクト(見込み客)になります。
何をもって適格とするかは、ビジネスモデル、ターゲット顧客、顧客セグメンテーションプロセスによって異なります。
リードジェネレーションやリード管理は、通常はマーケティングチームが担当し、プロスペクトはマーケティングと営業チームとが担当します。一般的に、プロスペクトはリードに比べて、含まれる情報がより多く、双方向のコミュニケーションが行われています。
リードとオポチュニティとの違い
リードとオポチュニティとの違いは、リードとプロスペクトとの違いに似ていますが、違いの差は顕著になります。オポチュニティは、より適格性を増したプロスペクトとも言えます。
プロスペクトはマーケティングチームと営業チームとで共有しますが、オポチュニティはほぼ営業チームが担当します。
リードをプロスペクトやオポチュニティに変えるためのヒント
さて、用語を一通り理解したところで、コンバージョンプロセスを改善したり、リードを育成するために、どうすればよいかのヒントを解説します。
それは、理想的な顧客像に合致したオーディエンスにアプローチし、コンバージョンファネルのそれぞれの段階で、適切な情報を提供することです(リードナーチャリングは、言葉通りに、問題解決を支援することですから)。
このプロスペクティングを効果的に行うにはどうすればよいのでしょうか。
顧客セグメンテーションを活用する
顧客セグメンテーションは、マーケティング活動や営業活動を最適化するのに役立ちます。製品やサービスが、潜在顧客のニーズをどのように満たしているかを理解することが、効果的なマーケティングの基本です。
ターゲット顧客を間違えると、マーケティングキャンペーンの反響がまったくないこともありますし、リードをセグメントしないと、的外れのマーケティングメッセージを送ったり、効果のないメッセージに時間や労力や金銭を費やすことになります。
販売プロセスを通じて、より購買意欲の高いリードを育成し、コンバージョン率の高いリードとそうでないリードを区別することが重要です。
例えば、Webサイトへの訪問者がニュースレータに登録するときに、いくつかの質問を追加してその回答から、あるいは、ショッピングカートを放棄するタイミングなどの行動分析によってもリードの傾向を判定できるでしょう。
CRM(顧客関係管理)ソフトウェアを活用することも、セグメンテーションのプロセスを合理化するのに役立ちます。
自動化の活用
リードスコアリングの自動化、セグメンテーションの自動化、キャンペーン(電子メールなど)の自動化などは、業務リソースの観点から効率的です。リードが多ければ多いほど、手動での対応は厳しくなってきます。
Web関連の小規模企業者やフリーランスは、Web関連の技術を得意としているでしょうから、マーケティングやセールスの自動化は、マーケティング戦略を確立してしまえば、難しくないはずです。
シンプルに管理できるシステムを構築してしまえば、販売パイプラインの管理は、極めて快適なものになります。
結果を測定する
マーケティングに関するKPIなど、データを追跡することで、何がうまくいって何がうまくいかなかったかを知ることができます。リード生成や育成の取り組みを反復し、データを確認することで、改善点が見えてきます。
例えば、WebサイトのフォームをAとBとの2バージョン作成し、A/Bテストを行うと、どちらが効果的にコンバージョンされるかを把握できます。これは電子メールマーケティングなどのマーケティングキャンペーンについても同様です。
データを見れば売上予測が立ちますから、事業を進めていく上で、結果の測定は肝要です。
プロセス全体を通して、顧客価値を念頭に置く
セールスファネルを通してリードを適切に育成するには、万能のアプローチはありません。B2BとB2Cとは異なりますし、インサイドセールス戦略とアウトサイドセールス戦略とも異なります。
ビジネスモデルによっては、潜在顧客が1日でリード、プロスペクト、オポチュニティ、顧客へと変化することもあります。逆に、B2Bに顕著ですが、数ヶ月もプロスペクトやオポチュニティに留まる場合もあります。
いずれにしろ、プロセス全体で、製品やサービスが顧客にとってどのような価値をもたらすかを念頭に置くことが重要です。
ターゲット顧客がどのような問題を抱えていて、その問題でどのような苦痛を感じていて、どのような解消策を提供すればよいかを常に考え、それに基づいて戦略を立てます。
そうすることで、セールスファネルを最適化し、より多くのリードを獲得し、顧客へと導いていくことができます。