今日、あらゆるマーケティングはデジタルマーケティングとなり、オンラインの戦略がオフラインのマーケティングを飲み込むこととなっています。
それでもなお、従来のマーケティングのB2BとB2Cとの区別は有効です。加えて、インバウンドとアウトバウンド、オーガニックとペイド、それぞれのマーケティング戦略は異なっていますので、マーケティング戦略の市場について、およそ以下のような住み分けが可能です。

効果的な6つのマーケティング戦略
- 口コミマーケティング
- インフルエンサーマーケティング
- コンテンツマーケティング
- 電子メールマーケティング
- ローカルマーケティング
- パフォーマンスマーケティング
1. 口コミマーケティング
昨今のマーケティング手法で最も信頼されているのは、人から人へと広まる口コミです。他の人からの推薦は、推薦が多くなるほど、商品やサービスの強力な後ろ盾になります。
クロス・マーケティングの調査によると、口コミ情報を参照する割合は、「買ったことのない商品を購入するとき」が68.8%、「利用したことのないサービスを利用するとき」が42.8%と、高い割合となっています。そして、良い意見ばかりではなくデメリットになる口コミも、購入意欲を高める場合があります。
ただし、口コミはなかなか集まらず、特にビジネスサイクルが長くなれば、より口コミが集まりにくくなります。この問題を解決するためには、ソーシャルメディアキャンペーン行うのは有効です。もちろん、数あるマーケティング戦略のうち口コミだけを行うというのでは不十分です。
2. インフルエンサーマーケティング
口コミマーケティングがオーガニックなのに対し、インフルエンサーマーケティングはペイドメディア寄りの施策です。要するに、金を積んで有力者に推薦してもらうマーケティング手法です。グローバルにおけるインフルエンサーマーケティングの広告費は、約100億USD(1兆円)の巨大市場となっています。
有名人や影響力のある人からの口コミであるため、一般人の口コミよりも圧倒的に強力な施策となります。B2Bのインフルエンサーマーケティングでは、主要なオピニオンリーダーと契約し、PRしてもらう手法を取ります。B2Cの場合は、ブランド価値や商品・サービスのターゲット市場に合致したインフルエンサーと契約し、宣伝してもらいます。
先進諸国で重要視され多く採り入れられている社会的活動は、日本においては、日本人と日本社会の右翼的特質から、バッシングを受けたり無視されるなど、評価されない傾向にありますので、注意が必要です。
3. コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティング戦略の核となる戦略で、主にWebサイトのマーケティングすることで、ブランドが顧客に価値を与えることと引き換えに、顧客はブランドを自分の問題を解決するものとして認識し信頼します。従って、誰に何をいつどのように提供するかを決定するために、コンテンツ戦略を策定しなければなりません。
- 顧客が問題としていることは何か
- なぜ顧客はコンテンツを読むのか
- 製品やサービスが顧客の生活を改善するのにどのように役立つか
その上で、
- どのようなコンテンツを作成するか
- どのような形式で公開するか
- いつどこで宣伝するか
を明確にしなければなりません。
4. 電子メールマーケティング
電子メールマーケティングは、B2Cでもよく使われますが、意思決定サイクルの長いB2Bでより好まれます。リードが顧客になるまでの意思決定段階において、定期的に電子メールでやりとりすることで、関係を維持することができます。
B2Cの電子メールマーケティングをそのままB2Cに適用することはできません。というのも、B2Cは顧客との感情面での繋がりを重視するのに対し、B2Bでの取引は衝動的に購入することが無いため、感情ではなく論理に基づかなければなりません。
5. ローカルマーケティング
特定の地域の顧客を対象にしていたり、実店舗がある場合、その地域でのマーケティングは必須となります。
顧客は個人なのでB2Cとなり、ローカル検索は主にモバイル端末で行われるので、Webサイトは必ずモバイル対応にすべきです。検索エンジン最適化(SEO)はローカライズしてローカル検索結果で有効に表示されるようにします。
6. パフォーマンスマーケティング
パフォーマンスマーケティングは、ビジネス目標が達成されたときに、サービスプロバイダー、すなわちビジネスパートナーに報酬を支払うマーケティングで、主にB2Cのキャンペーンで使われ、ソーシャルメディアキャンペーンや検索エンジンマーケティング(SEM)やディスプレイ広告などの、アウトバウンドマーケティングに含まれます。
通常はCPIを下げ、CVRを上げ、ROIを改善していきますが、ハイステークスな戦略となり、他のマーケティング手法に比べると、費用対効果が良くない傾向にあります。
より多くのマーケティング戦略
マーケティング戦略には上記の他にも多数の種類があり、小規模なビジネスでも活用できますが、上に挙げた戦略は効果的なものの幾つかですので、ビジネスによってはブランディング戦略などを追求するほうがよい場合もあります。
中規模以上のビジネスでは、上記の戦略を含めた様々な戦略を含めた統合型マーケティングが最良の選択肢かもしれません。また、Eコマースの場合は、マーケットプレイスでの戦略が良いこともあります。
口コミマーケティングを主とする
口コミマーケティングは、B2C寄りですがB2Bにも使える効果的なマーケティング戦略です。しかし、効果が出るまでには時間がかかるので、上に挙げた幾つかの戦略も加えて、複数の戦略を取るのがよいでしょう。