マーケティング活動を最大化する統合型マーケティング

マーケティング活動を最大化する統合型マーケティング

マーケティングはどのようなビジネスにも必須です。だからこそ、多くの企業が広告に多額の費用をかけています。2019年にはインターネットの広告費が2兆1048億円とテレビメディアの1兆8612円を上回り、ますます成長しています。

近年、インターネット広告費が急速に伸びています。

中小企業、特に少人数あるいは1人で事業を行っている小規模事業者・個人企業、個人事業主・フリーランスは、どうしてもマーケティングの優先度が低くなりがちです。

例えば、何らかのマーケティング活動、例えばGoogle広告に広告を出していたり、YouTube動画で情報を発信したり、Twitterでブログ投稿を宣伝したりしていても、主要業績評価指標(重要業績評価指標、KPI)に基づいて目標を達成する方法を知らなかったり、そもそも主要業績評価指標(KPI)を知らないこともあります。

そのため、それぞれの活動がどれくらいパフォーマンスを発揮していないのか、どれくらいの時間を無駄にしているのか、全くわからないということになります。

そのため、デジタルマーケティング戦略で注目されているのが、統合型マーケティング戦略です。

統合型マーケティング戦略は、インバウンドマーケティングを合理化する戦略ですので、上記のようにマーケティングを行っているけれども効果がよくわからないといった状態にならないよう、効果測定できるデータを作り上げながら、それぞれのマーケティング戦術が競合しないように、互いに補完しあって効果を上げていきます。

ここでは、マーケティング効果を最大化するための統合型マーケティング戦略を紹介します。

統合型マーケティングとは何か?

マーケティングを「統合」するというのは、広告からソーシャルメディアまで、ブランドのあらゆる側面を、ひとつの連続する顧客体験に「統合」することを意味しています。

インターネットとデジタルメディアのおかげで、マーケティングの「統合」が可能となり、マーケティング活動の様々な側面を、ひとつの多面的な活動に「統合」することで、その効果を向上することができるようになりました。

また、統合型マーケティングでは、動画、ブログ記事、パーソナライズされた電子メールなど、複数のマーケティングチャネルを利用して、顧客にリーチすることができます。

  • あるひとつのマーケティングチャネル(例えばコンテンツマーケティング)だけでマーケティング活動を行っていてはリーチできない顧客に対して、別のチャネル(例えば電子メールマーケティング)でリーチするなど、効果的にリーチすることで、収益を向上させることができます。
  • これにより、顧客との関係をより深めることができるので、顧客をより早くセールスファネルに移動させることが可能となります。
  • 何のために何を提供しているかの全体を見渡すことができるので、顧客へのメッセージがより明確になります。
  • そうすると、メッセージの一貫性が高まるので、ブランドへの信頼を高めることができます。
  • チャネルが増えるからと言って、それぞれのチャネルで別のコンテンツを作成しませんので、マーケティング活動にかかるコストを節約できます。

なぜ統合型マーケティング戦略を優先するのか?

以上を読むと、統合型マーケティング戦略が素晴らしいもののように見えます。ですが、旧来から行われているマーケティング手法では駄目なのでしょうか。今現在取り組んでいるマーケティング手法を変える必要があるのでしょうか。

なぜ統合型マーケティング戦略が必要で、優先すべきなのかの理由は、幾つかあります。

一貫したブランドメッセージを作り出せる

マーケティング活動でよくある問題は、様々なマーケティング戦略に取り組んで、それぞれに別々のコンテンツを顧客に送っていることです。それは、製品やサービスあるいはブランドの統一したビジョンを作っていないからです。さらには、ばらばらにマーケティング戦略を扱っているために、マーケティング戦略を統合していれば防げたミスを犯してしまうこともあります。

統合型マーケティングではメッセージが統一されないということはありません。というのも、顧客へのメッセージを作って、それを異なるチャネルでフォーマットを変えて発信していくからです。

これによって、ブランドに対する信頼が増し、顧客の混乱を防ぐことができます。

より効果的な営業活動ができる

フリーランス・個人事業主含め1人で事業を行っていれば大きな問題になり難いのですが、マーケティングチーム、営業チーム、製品・サービス開発チーム、顧客サポートチームなど、組織が複雑になるほど、顧客に対するメッセージが各チームで微妙にでも異なると、顧客が混乱する問題が発生しがちです。

マーケティングチームの中でも、Facebookなどソーシャルメディア担当とYouTube動画担当とで別々にコンテンツを作っていると、マーケティングメッセージが異なってくることが出てきます。

特に、マーケティングや営業を外部に委託している場合、あるいは異なる組織で共同してひとつの事業を営んでいる場合は要注意です。1人で事業を行っている場合、特に不案内な領域の場合、どうしても外部委託したくなりますが、マーケティングや営業をまるごと外部委託するのは、顧客へのメッセージが一貫性を保ちにくいので、危険と言えます。

統合型マーケティング戦略を使えば、異なるチャネル用に重複してマーケティング資料を作ることがなくなるので、営業が発するメッセージも同じものになり、営業活動も一貫してスムーズに行うことができます。

費用を節約できる

事業にかかる費用を減らすことで、利益が得られます。統合型マーケティング戦略ではこれを実現できます。チャネルごとにマーケティング資料を作る必要がないので、時間も節約でき、別の活動に時間を割くことができるようになります。もちろん、新たに人を雇うということもしないで済みます。

統合型マーケティング戦略の作り方

統合型マーケティング戦略にはいくつもの大きなメリットがあることがわかりましたが、どのようにこれを作ればよいのでしょうか。

様々なチャネルを活用するので何かずいぶんと複雑で大変なものに見えますが、いくつかのステップを踏めば、1人でもやっていけます。

1. 顧客を特定する

まずは、マーケティングキャンペーンでターゲットにする顧客を理解する必要があります。顧客像がなければ、マーケティング活動は意味のないものになります。顧客像があれば、成功の可能性を最大限に高めるポジショニング戦略を策定することができます。ですので、まずは顧客のプロフィール、すなわちペルソナを作ります。

  • 顧客の年代は?
  • 顧客の教育レベルは?
  • 顧客の性別は?
  • 顧客の仕事・肩書は?
  • 顧客はどのような興味を持っている?
  • 顧客が解決したい問題は?
  • 顧客が問題を解決するために何をしている?

ペルソナはひとつだけではなく、少しずつ異なるいくつかを作るべきです。そうすると、顧客像がより明確になります。

2. チャネルを選択する

統合型マーケティングでは複数のチャネルに統合されたマーケティングメッセージを配信します。

顧客像を決めた後は、その顧客にリーチするために、どのチャネルを使うか、またはどの媒体を使うかを決めます。

それを決めるのによい方法は、既存顧客を調査すればわかります。Google検索をよく利用するのか、それともTwitterを頻繁に利用しているのか、YouTubeで動画をよく見ているのか、などです。

つまり、顧客がいる場所に向けて、メッセージを発信するのです。ただし、あらゆるチャネルを利用すると、同じメッセージを受け取る顧客が増え、メッセージの効果が薄まるので、いくつかに絞ったほうがよいでしょう。

そして、どのチャネルが効果があるのか、必ず効果測定をして、より効果のあるチャネルにリソースを投入すべきでしょう。

3. コンテンツを作り、チャネルに参加する

デジタルマーケティングを手掛けていれば、様々なマーケティングチャネルを持っていることでしょう。しかし、それぞれのマーケティングチャネルごとに、そのチャネルのためのコンテンツを作り始めてはいけません。

まずは、チャネルに関わらず、コンテンツのアイディア出しやブランドストーリーから考え始め、コンテンツを作ります。そして、そのコンテンツを異なるタイプのチャネルの形式にしますが、できれば最初からコンテンツ管理システムを活用して作り上げていくほうが効率的です。

4. マーケティングソフトウェアを活用する

統合型マーケティング戦略を効率的に進め、効果を出していくには、動かしているマーケティングキャンペーンの現状がどうなっているかを、知る必要があります。というのも、どのチャネルがどのくらい効果を出しているか、またはその逆に効果を出していないかを知らないと、調整し、改善していけないからです。

ですので、マーケティングのパフォーマンスを追跡するために、細かくカスタマイズできる強力なソフトウェアを導入すべきでしょう。

また、チームの誰がどこにいても常にコミュニケーションが取れるツールを利用することで、チーム間のコラボレーションをより良くすることができます。

統合型マーケティング戦略に着手する

統合型マーケティング戦略を完成させるには時間を要しますが、始めるのは簡単ですし、むしろすぐにでも着手すべきです。

広告、広報、電子メールマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングなどのすべてを融合させ、すべてを連携させるように設計します。

そして、統一されたメッセージを顧客に届け、顧客体験を向上させていきましょう。

芦屋 ときお

芦屋 ときお 記事一覧

ソフトウェアエンジニア(フルスタック、主にWeb系)。HTML, CSS, JavaScript, TypeScript, PHP, Python, Go, Vue.js, Express, Node.js, Nuxt, Next.js, Laravelなど。C#, ActionScriptも。デザイン、デジタルマーケティング。