デジタルマーケティングで最も有効なチャネルは、自社のWebサイトです。

中小企業、零細企業、個人事業主・フリーランスに関わらず、Webデザイナーやコーダー、WebプログラマーやWebエンジニアなど、Webに関わる業務を生業としているのであればなおさら、自社Webサイトは極めて重要な最強のマーケティングチャネルとなります。

Webサイトを集客のチャネルとするため、注意深くWebサイトのマーケティング戦略を用い、自社ブランドを宣伝していきましょう。

Webサイトをマーケティングする際に考慮すること

Webサイトをマーケティング資産として使うことは、インバウンドマーケティング戦略の昔からある手法となります。

そして、他のオンラインビジネス戦略と同様に、マーケティングを実行する前に考慮すべきことがあります。

Webサイトのデザインが最適化されているか

Webサイトのマーケティング活動を始める前に、まずは、Webサイトのデザインが、優れたユーザー体験をもたらすかどうかを点検しなければなりません。

ナビゲーションはわかりやすいか、リンク切れはないか、検索は正常に動作するか、そして、パソコンやスマートフォン、タブレットなど様々なデバイスや、異なる画面解像度や異なるWebブラウザで正常に閲覧できるかなど、十分に時間をかけて検証し、改善していきます。

Webサイトのマーケティング活動を始める前に、マーケティングの基本原則(4P)に則り、Webサイトに訪れる顧客のために最善を尽くしていることを確認しましょう。

Webページの読み込み時間は速いか

ページの読み込み速度は、速ければ速いほどよく、遅ければ、そのページを訪れる顧客は待ちきれず離脱していき、顧客にとって不利益となりますので、検索エンジンのランキングにも悪影響を与えます。

ページ速度を計測するツールはいくつもあり、例えばPageSpeed Insightsで計測し、よい結果が出るように改善すべきです。

RePROGのPageSpeed Insights結果
PageSpeed Insightsでのページ速度計測結果を基準にページ速度を改善していきます。

コンテンツの焦点が絞られているか

あらゆる人に向けてのコンテンツは、焦点がぼやけ、得てして誰も求めていないものになります。ですので、理想的な顧客像、ターゲットオーディエンスのために、コンテンツが作成されているか確認します。

タイトル、見出し、文章を、ターゲット市場に焦点を当てたものに改善していきます。そうすることで必然的に、コンテンツが独自でニッチなものになり、ターゲットオーディエンスに役立つものとなります。

Webサイトのマーケティング戦略

Webサイトの技術的な側面とコンテンツについて点検した後、Webサイトにいくつかの有効なマーケティング戦略を開始していきます。

1. コンテンツマーケティング

ターゲットオーディエンスに向けて、彼らに関連する価値あるコンテンツを作ることは、非常に時間がかかりますが、彼らを引き寄せ、惹き付けます。

顧客に価値あるものを提供することで、信頼を築き、関係性を構築していくことができます。

コンテンツマーケティングを最大限に活用する方法

コンテンツを定期的に公開していくために、コンテンツのタイトルや公開日などを記載するエディトリアルカレンダーを作成します。投稿をスケジューリングすることで、コンテンツ作成のペースを維持することができ、コンテンツマーケティングの効果を持続させていくことができます。

また、一種類のコンテンツ形態に限定せず、ブログ記事、インフォグラフィック、電子書籍、動画など、多彩なコンテンツを作成し、顧客に提供していきます。

2. 検索エンジン最適化(SEO)

検索エンジン検索結果ページ(SERP)1ページ目にページが掲載されるのは、2ページ目以降よりはるかに重要です。ですので、広くターゲットオーディエンスに認知させるには、検索エンジン最適化(SEO)は必須となります。

BrightEdgeの調査レポートによると、Webサイトのトラフィックの53.3%がオーガニック検索経由で、有料検索が15.0%、ソーシャルメディアが4.7%で、B2Bでは、オーガニックが64.1%、有料検索が12.3%、ソーシャルメディアが3.0%と、圧倒的にオーガニック検索からのトラフィックが多くを占めています。

そして、同レポートによると、B2Bでは他のチャネルよりもオーガニック検索によって収益を2倍以上に増やせるため、オーガニック検索からの流入を増やすために、検索エンジン最適化(SEO)に力を入れるべきでしょう。

検索エンジン最適化(SEO)を最大限に活用する方法

「SEO」と聞くと、無数の対策方法があって専門家に任せるしかないと思えてしまいますが、成功するためには、時間をかけることと一貫した対策を取ることであって、それは専門家に任せずとも自分でなんとかできるということを意味します。

例えば、コンテンツに1枚でも画像を含めることで、コンテンツの質を高める要因となるので、検索エンジン検索結果の順位が上る可能性があります。そして、新規コンテンツを作り続けるだけではなく、過去の記事を更新していくことで、古いコンテンツを活用していくべきでしょう。

3. コンテンツの追加

コンテンツを追加していくことは、Webサイトのマーケティング戦術として、とても重要なことです。

というのも、コンテンツを追加することは、顧客のメールアドレスを得られるのと同じ意味となるからです。定期的にコンテンツを追加することでニュースレター(日本語では「メールマガジン」「メルマガ」)を発行できるからです。

獲得したリードは、ターゲットオーディエンスと関係を構築していく多くの機会と、他のマーケティング戦術を使える機会となります。

コンテンツの追加を最大限に活用する方法

顧客にスパムを送ってもどうしようもありません。電子メールを送る理由付けとして、説得力のある提案が必要です。

顧客にとって価値ある役に立つコンテンツを提供していきます。ブログ記事だけではなく、電子書籍やチェックリストなどを用い、誰もがアクセスできないように情報を提供することは、顧客の好奇心をくすぐり、何か特別なものを手に入れた気分にさせます。

4. ブログ記事を書く

業界のニュースやアイディアなどを定期的にブログで公開していくことで、その筋の専門家として、ポジションを確立していくことができます。

ただし、日々の業務に忙殺されてリソースが足りなくなって更新がおろそかになると、大きなチャンスを逃してしまうので、エディトリアルカレンダーを作成してルーチン化していくべきです。

ブログを最大限に活用する方法

ブログ記事は、Twitterのような140文字のおしゃべりとも、LINEでのとりとめのない片言メッセージとも違います。調査や研究に基き、独自の視点をもった、顧客にとっての価値ある情報でなければなりません。

ブログ記事は他のブログ記事と関連性を持たせるべきです。そして記事から記事へと適切にリンクを貼り、内部リンクを構築していきます。他の権威あるWebサイトへの外部リンクも信頼性を高めるために重要です。

5. 電子メールマーケティング

様々なビジネスにおいて、電子メールマーケティング戦術は、顧客の連絡先や行動履歴をデータ化しつつ、リードとの繋がりを維持するのに最適の方法です。ただし、顧客に情報を提供してもらうには、何らかの方法でメールアドレスを登録してもらう必要があります。

電子メールマーケティングを最大限に活用する方法

スパムと判断されるような電子メールは避けるべきで、電子メールリストにとって興味があり関連性があり意味のあるコンテンツのみを送信すべきです。

メールアドレスを収集する際には、できる限り簡単な手順を用います。ページの下部などにシンプルな登録フィールドを設けて、「ニュースレターを購読」などのメッセージを表示するだけで、登録してくれることもあります。また、より認識されやすいよう、ポップアップを使うという手もあります。

6. 目立つCTA

コールトゥーアクション(CTA)とは、製品やサービスに興味を持ってくれた顧客に、すぐに反応をしてもらうためのメッセージで、訪問者をリードに変えたり、関係性を強化するための行動を促すものです。

電子メールの登録や、コンテンツの追加、相談などのお問い合わせなどに注意を向けてもらうよう、CTAを目立つように配置します。

CTAを最大限に活用する方法

行動してもらうためのCTAは、ひと目で認識され、興味を持ってもらうものでなければなりません。「無料でダウンロード」「今すぐ問い合わせを」「最新カタログ無料進呈中」など、クリックして何が得られるかを明確にして、思わずクリックしたくなるようなキャッチコピーを考えることが重要です。

また、CTAのリンク(ボタンの形態の場合が多い)は、最初に表示されたときには見過ごされる場合があります。クリックされる可能性を高めるために、複数個を配置するべきでしょう。

Webサイトのマーケティング戦略を最大化するためのCMS

Webサイトのデジタルマーケティング戦略の一環として、コンテンツマネジメントシステム(CMS)ソフトウェアは必須です。

1. WordPress

オープンソースで無料のWordPressは、世界中で人気のCMSです。もともとブログ用のソフトウェアでしたが、EコマースWebサイト(ECサイト、ネットショップ)や会員サイトなど、様々な目的で使えるよう、無数のプラグインやテーマが提供されており、様々な機能拡張ができる、優れたソフトウェアです。Webサイト構築に慣れていない経営者でも割合簡単にWebサイトを作ることができます

マーケティング戦略に使えるCMS、WordPressのプラグインディレクトリ
採用するマーケティング戦略によって様々に最適化できるWordPressのプラグインディレクトリ

2. Wix

WordPressはサーバーの契約が別途必要ですが、Wixはホスティングも含み、すぐにコンテンツを作り始めることができるサービスとして優秀です。ブログだけではなくEコマースWebサイト(ネットショップ)も作成でき、拡張性も優れています。

どんな「作りたい」も叶える本格ホームページ作成ツール Wix
Wixは手間なくWebサイトを作れるので、マーケティングにリソースを集中できます。

3. Blogger

BloggerはGoogleが提供する古くからあるブログ作成プラットフォームで、Eコマースビジネスの機能がなくネットショップを構築できないなど、シンプルな機能のブログサービスですが、ビジネスブログを手軽に始められます。機能が限られているということは、本当に必要なこと、すなわちコンテンツ作成に集中できるということでもあります。

ビジネスブログを始めるならBlogger
Googleが提供している信頼性の高いBlogger

Webサイトのマーケティングを始める

中小・零細企業、個人事業主・フリーランスのマーケティングとなれば、一挙手一投足が重要となります。多くの企業やフリーランスが、単なる企業情報のWebサイトしか作っておらず、マーケティング活動に無頓着なので、なおさらWebサイトのマーケティングは競合他社に対して有効性を持ちます。

マーケティング戦略を実行する際には、必ず「戦略」的である必要があります。すなわち、慎重に効果測定を続け、成功しているかどうかを確認しつつ進めていくことです。

あらい としゆき

あらい としゆき

ソフトウェアエンジニア(フルスタック、主にWeb系)。HTML, CSS, JavaScript, TypeScript, PHP, Python, Go, Vue.js, Express, Node.js, Nuxt, Next.js, Laravelなど。C#, ActionScriptも。デザイン、デジタルマーケティング。