企業や組織の人件費を減らすために自民党が推し進める「多様な勤務」の推進や「働き方改革」、そして新型コロナウィルスの蔓延で、フリーランスとしての働き方が注目されてはいますが、日本とアメリカとを比べると、日本のフリーランスの人口は少なく、個人事業主は年々減っているのが実際のところです。(※内閣府政策統括官(経済財政分析担当)「政策課題分析シリーズ17 日本のフリーランスについて その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析」(2019))
なお、ここでは、フリーランサーを、本業を別に持っていて副業として働いている人を除き、本業として働いている自営業者(個人事業主もしくは小規模企業者)としてのフリーランサーを念頭に置きます。
また、労働政策研究・研修機構(JILPT)「コロナ禍による仕事・生活への影響」(2020)によると、フリーランスの「仕事や収入への影響」について「大いに影響があった」が31.0%、「ある程度影響があった」が34.3%、合わせて65.3%が「影響があった」としており、厳しい状況のようです。
この記事は、フリーランス初心者、フリーランスになったばかりの方、あるいは、フリーランスを続けているけれども、新型コロナなどの影響で仕事や収入が減っている方や、新たな収入源を模索している方の参考にもなるかと思います。
フリーランスの仕事を見つける7つの方法
- フリーランスの仕事募集サイトを探す
- 採用情報をチェックする
- メールを送る
- SNSグループに参加する
- 友人やクライアントなど人脈をあたる
- 自分のWebサイトを整備する
- ゲスト投稿をする
1. フリーランスの仕事募集サイトを探す
短期の仕事や長期のリモートワークを得るために利用できるフリーランスのためのWebサイトや、求人サイト、クラウドソーシングサイトは数多くあります。
- Wantedly(ウォンテッドリー)
- Wantedlyは、ITエンジニアを中心に、営業、マーケター、デザイナーなど、IT系の人材を中心に300万人以上と企業37,000社が登録する巨大SNSです。
- 求人ボックス
- 求人ボックスは、500万件以上の大量の求人と400万人を超える登録者がいる大規模な求人サイトです。フリーランスの求人も多数掲載されています。
- スタンバイ
- スタンバイは、求人検索エンジンで、インターネットで公開されているあらゆる求人を検索できます。フリーランスや在宅、リモートワークの求人も検索できます。
- Indeed(インディード)
- Indeedには、様々な職種の多数のリモートワークが登録されています。
- geechs job(ギークスジョブ)
- geechs jobは、IT系フリーランス専門の仕事検索サイトです。毎年10,000件以上の案件が契約されていて、高単価で質の高い案件が多いサービスです。
- ランサーズ
- ランサーズは、主にIT系の、発注する企業と受注する個人とをマッチングするクラウドソーシングサービスです。企業の登録数は40万件以上、案件数も210万件と大規模となっています。
- クラウドワークス
- クラウドワークスは、企業登録数70万件を誇る大規模なクラウドソーシングサービスです。IT系の仕事を中心に、翻訳や事務など多様な案件のマッチングを行っています。
- クラウドテック
- クラウドテックは、クラウドワークスが運営する、フリーランスのリモート案件に注力した業務委託マッチングサイトで、ITエンジニア、デザイナー向けのサービスです。
- 99designs
- 99designsは、グローバルに仕事ができる、フリーランスデザイナー向けのクラウドソーシングサービスです。
- Conyac
- Conyacは、翻訳者、ITエンジニア、デザイナーなど、世界中のクライアントとフリーランサーが参加するクラウドソーシングプラットフォームです。
- Gengo
- Gengoは、翻訳者登録をして世界中から依頼を受け翻訳して報酬を得られる、フリーランス翻訳者向けのサービスです。
- フリーランススタート
- フリーランススタートは、フリーランスITエンジニア専門の求人サイトで、フリーランスエージェントが保有する案件を一括検索できます。
- PE-BANK
- PE-BANKは、IT系フリーランスの案件や求人情報を掲載して検索できる、フリーランスエージェントのサービスです。
- レバテックフリーランス
- レバテックフリーランスは、高単価案件を多く掲載しているのが特徴の、ITエンジニア専門エージェントのサービスです。
- スタジオアンビルト
- スタジオアンビルトは、建築図面、パース、設計プラン作成など、建築系のマッチングサービスです。
- Saleshub(セールスハブ)
- Saleshubは、フリーランスとして営業を行っている個人と企業とをつなぐ、営業系のマッチングサービスです。
- サイドビズ
- サイドビズは、フリーランスなどの営業職と企業とをつなぐ、営業系のマッチングサービスです。
- kakutoku(カクトク)
- kakutokuは、日本最大の営業支援を謳っているフリーランス営業職と企業とをつなぐマッチングサービスです。
- ウルマップ
- ウルマップは、営業系のフリーランスと企業とをつなぐマッチングサービスです。
- Shinobiライティング
- Shinobiライティングは、ライター向けのクラウドソーシングサービスです。
- サグーワークス
- サグーワークスは、ライター向けのクラウドソーシングサービスです。
2. 採用情報をチェックする
自分の業界や関連する業界の企業Webサイトの採用情報ページを探すのも、フリーランスの仕事を見つける方法です。例えば「業務委託募集」「パートナー募集」「外注クリエイター募集」「ギグワーカー募集」など、フリーランスでも可能な場合が多くあります。

採用情報はヘッダーのナビゲーションもしくはフッターに見つかりますので、根気よく探してみるとよいでしょう。
3. メールを送る
知らない人に自分の紹介や頼み事をするメールを送るのは、コールドメールと言われ、通常は、してはいけないことです。返事があっても断られたり、無視されたりして、心が折れます。
電話帳にある電話番号に、無差別に営業電話、つまり、コールドコールをしても、大抵は断られるか切られるでしょう。
しかし、見込みのある顧客にコールドコールをすることは、必ずしもしてはいけないとは言えません。コールドメールも同じです。
そして、断られても無視されても、何度も繰り返して経験を積めば、慣れてしまって、そんなことは取るに足らないと気付くでしょうし、どのようにするとよい反応が返ってくるかも学べます。
以下に、基本的ないくつかのヒントを紹介します。
適切な担当者を見つける
企業のWebサイトやSNSなどをよく見て、担当者を探します。大抵は、採用担当者や部署管理職のメールアドレスやソーシャルメディアのプロフィールを公開しています。
適切な件名を使う
件名が適切ではないと、すぐにスパムやゴミ箱行きです。件名だけを見て、そう判断されます。具体的で内容がわかる件名にすべきです。共通の知り合いがいれば話は早く、「〇〇社の〇〇さんに勧められてご連絡しました」と書けば伝わりますし、相手に提供できる価値を伝えたい場合はその内容を具体的に短く書けばよいでしょう。
メールの目的を伝える
自己紹介、技術や資格、相手の情報をどのように入手したか、なぜ相手に興味を持ったのかを説明します。
メッセージをパーソナライズする
テンプレートをコピー&ペーストしただけの文面よりも、より興味を持ってもらえるように、共通の話題を含めるべきです。そのためには、相手のことをある程度調べる必要があります。
自分の強みを強調する
希望する仕事を得られるように、関連する業務のプロジェクト内容を詳細に記載します。相手がもっと知りたいと思うように、十分な情報を提供すべきでしょう。
フォローアップする
1週間程度待って返信がない場合は、フォローアップメールを送ったほうがよいでしょう。多忙な担当者にとっては、誰かもわからない人から送られてきたメールに目を通すことは、優先度が最も低いタスクだからです。
4. SNSグループに参加する
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は、友だちや気の合う仲間とのつながりだけではありません。フリーランスの仕事の機会を共有するグループに参加することもできます。
Facebookグループ
Facebookグループを探すには、次のようにします。
- Facebookホーム画面の左カラム上にある「グループ」アイコンをクリックします。
- 検索入力欄に、探しているグループの種類を入力します。例えば「Webエンジニア」と入力します。
- 「グループに参加」をクリックして参加を申し込みます。

Facebookグループに参加する際には、活動が盛んで自分にとって意味のあるものだけを選びます。ただ、実際に参加してみないと、そのグループが自分のキャリアに関連しているかどうか分からないこともあります。グループが自分に合わない場合は、グループから抜けましょう。
5. 友人やクライアントなど人脈をあたる
友人や以前に仕事をしたクライアントに、あるいはSNSで、仕事を探していることを伝えます。中には、仕事があふれて断らなければならない人もいるかもしれません。その人が仕事を紹介してくれる可能性もあります。普段からよい仕事をして実績を積み重ねていれば、相手の人脈から誰かを紹介してくれることもあるでしょう。
6. 自分のWebサイトを整備する
フリーランスもまた、一般的な企業と同様にビジネスですから、自分が提供しているサービスを顧客に知ってもらい、自分とマッチする理想的な顧客に見つけてもらうために、マーケティング計画が必要です。そのためのひとつの方法が、ポートフォリオサイトをつくることです。
フリーランサーがWebサイトを持つべき理由はどのようなものでしょうか。
ポートフォリオとサービスを紹介するため
顧客は仕事を依頼する前に、どのようなことができるかや、依頼する仕事に合ったスキルを持っているかを確認したいと思うはずです。専門知識やスキルを証明するために、過去の仕事やプロジェクトの実績を掲載します。デザイナーであればデザインのプロジェクトを、ITエンジニアであれば開発プロジェクトを、ライターであれば記事を、それぞれポートフォリオとして紹介します。
信頼性を確認するため
フリーランスとして仕事をしていれば、これから取引しようとする会社の情報を、これまでに確認してきたはずです。どのような会社かわからないのに一緒に仕事をする気にならないのは、企業もフリーランスも同じです。Webサイトは信頼性を高め、ビジネスを大切にしていることを、顧客に伝えます。
社会的証明のため
より自分のことを知ってもらい、仕事を依頼してもらうためには、特に相手が自分のことを全く知らない場合には、社会的な証明が必要です。そのため、Webサイトには取引会社やクライアントの声を掲載するのが効果的です。
競争に勝つため
Webサイトがあれば、専門家としての自分を思う存分アピールできます。400万人のフリーランスと競合していると考えると、Webサイトを持たずに活動するのは、明らかに不利になります。
フリーランスビジネスを拡大するため
クラウドソーシングや求人サイトやSNSだけが仕事を見つける場所ではありません。Webサイトもまたマーケティングの手段であり、Webサイトから仕事を得てビジネスを拡大することができます。専門知識を生かしたオンラインコースや電子書籍などのデジタル製品なども提供できます。
7. ゲスト投稿を書く
他のブログやWebサイトのゲスト投稿者となるのも、フリーランスのマーケティング手法として有効です。
その理由は以下の通りです。
より多くの人にアピールできる
ゲスト投稿をするWebサイトにすでに多くのファンがいる場合、自分の専門知識やスキルを、自分のWebサイトなどではリーチできない層のオーディエンスにアピールすることができます。
自分のWebサイトへのアクセスが増える
記事を気に入ってくれた人は、他の記事にも興味を持ってくれるはずです。ゲスト投稿は、自分のWebサイトへ、質の高いトラフィックをもたらすチャンスとなります。
仕事を依頼される
Webサイトへの質の高いトラフィックが増えれば、仕事を頼まれたり、商品やサービスを購入してくれる可能性が高まります。ニュースレターを発行しているのであれば、購読者も増える可能性が高まります。
SNSのフォロワーが増える
ゲスト投稿が読む人の心に響けば、Twitterなどソーシャルメディアでのシェアが増えます。ソーシャルメディアのマーケティング戦略を適切に行っていれば、フォロワーを増やすことができます。
フリーランスとして働くこと
フリーランスは、基本的にあらゆる業務を自分一人で行います。ですので、一般的な会社員より仕事スキルが上であることが多く、収入も高くなります(逆に言えば、仕事スキルのないフリーランスは一般的な会社員より収入が低くなります)。
そして、自分で好きなようにビジネスを進められる、共に働く人や会社や仕事を選ぶことができる、時間を自由に使える、どこでも仕事ができるなどの理由で、フリーランスに憧れる人も多くいます。
これからフリーランスになろうとしている方も、これらの仕事を見つけるヒントを参考にしてみてはいかがでしょうか。