フリーランスで仕事をしていくには、デメリットもありますが、多くのメリットもあります。
メリットの第一は、自分が会社で一番偉くなれるということです(一人で事業を行うので、当たり前といえば当たり前です)。つまり、どんな仕事をするか、誰と仕事をするか、いつ仕事をするか、どこで仕事をするか、どのように仕事をするかを、自分で決められるということです。
湖の畔のコテージで仕事をしてもいいですし、海の見えるホテルで仕事をしてもいいですし、山の中の落ち着くカフェで仕事をしてもいいですし、自宅のベッドで布団にくるまれたまま仕事をしてもいいのです。どこでどのように仕事をしようとも、誰にも文句を言われることがありません。

フリーランスとして働くのは、サボるのも自由ですし、目一杯働くのも自由です。ですが、自由なだけに、時間管理・タイムマネジメントが重要で、タイムブロッキングなどを活用していくことが求められます。
タイムマネジメントを上手く行えれば、自由な時間を増やせますので、スキルセットを拡げるのもいいですし、自分の専門を新たな段階に進化させることもできます。通常のフルタイムの雇われ仕事では、様々な分野に手を広げたり、収入を増やすのは、必ずしも容易なことではありません。
ただし、日本の社会状況から見て、連日高級リゾートで適当に仕事をして贅沢三昧する、なんてことを夢見るべきではありませんが、新型コロナの影響もあり、確実な収入源として、フリーランスの仕事を利用するのも悪い選択肢ではありません。
すでにフリーランスとして活躍している人は、様々な方法で仕事を見出しているでしょうが、フリーランスになったばかりの人や、いずれはフリーランスとして働きたいという人は、どこで仕事を見つけたらいいのか、どうやって自分を売り込んだらいいのか、その方法を見いだせないかもしれません。
ここでは、フリーランスの仕事を初めて得るための方法を紹介します。
フリーランスを目指すよい機会
フリーランスの得意領域はバーチャルです。新型コロナの影響で、これまで対面で行われていた仕事はバーチャル領域に移り始め、そのため、フリーランスとして活躍できる機会が増えてきたと言えます。
というのも、「リモートで働けるのであれば、組織に所属しなくとも一人で仕事ができるのではないか」という気付きが生じてくるからです。
すでにフリーランスを始めている人は、新型コロナの影響が皆無というわけではありませんが、過去のクライアントに連絡を取るなど、影響を最小限にする方法もありますし、新規領域の事業を始めるなど、ビジネスを強化するよい機会と捉えることで、売上を増やしていくチャンスでもあるのです。
初めてのフリーランスの仕事はどこで見つけられる?
Webデザイナー、システムエンジニア、グラフィックデザイナー、ライター、カメラマン、翻訳者など、もっとも簡単に仕事を見つけられる場所は、クラウドソーシングサービスです。
このサービスの利点は、クライアントがレビューを投稿し、自分の評判や信頼を高めてくれることです。
一方で欠点は、手数料を取られること、割合安めの金額の案件が多いこと、相場程度の金額の案件は競争率が高いことです。
その点を差し引いても、すでに見込み客が向こうからやってきていて、簡単に顧客リストをつくることができますので、集客する手間や時間を省略できるのも、大きな利点です。
ここでは、フリーランスの仕事を見つけるのに便利な、いくつかのサービスを紹介します。
- ランサーズ
- クラウドワークス
- ココナラ
- 無料で仕事を受ける
1. ランサーズ
ランサーズは、フリーランスで仕事をする人と、様々な企業とを結ぶ、人気のクラウドソーシングサイトです。
- 向いている人
- Web系開発、スマートフォンアプリ開発、Webサイト制作、バナー制作、印刷物制作、ライティング、データ入力、動画制作、翻訳、コンサルティングなど、様々なジャンルがありますので、様々な人に向いています。
- 専門のレベル
- 初心者から熟達者まで、誰でも参加できます。簡単なものから高度なものまで、大量の仕事募集があります。

ランサーズは、フリーランスとしてのキャリアをスタートさせるのに、最適な場所のひとつです。初心者レベルの少額の仕事であれば、ポートフォリオすら不要ですので、すぐに仕事に取り掛かることができます。
ランサーズの仕事には、プロジェクト方式とコンペ方式があります。
プロジェクト方式は、クライアントの仕事依頼に対し、フリーランスが見積り・納期を含め応募し、応募者の中から選定されたフリーランスが、プロジェクトを開始する仕組みです。
一方、コンペ方式は、クライアントの仕事依頼に対し、フリーランスが納品物を提案し、採用された提案に料金が支払われる仕組みです。
また、スキルパッケージという商品パッケージを出品できますので、自分のできることを一式パッケージにして販売することもできます。
手数料は、以下の通りです(いずれも税込)。
- 契約金額20万円~:5%
- 契約金額10万円~20万円:10%
- 契約金額~10万円:20%
ランサーズの手数料はデメリットになりますが、様々な分野でフリーランスの仕事を見つけるための、主要なプラットフォームであることは間違いありません。十分な根気と努力があれば、もちろん、マーケティング戦略や販売戦略に則った行動であるほうが確実ですが、満足の行く長期的な高額報酬の仕事を獲得することも可能です。
2. クラウドワークス
クラウドワークスは、日本ではランサーズと双璧をなすクラウドソーシングプラットフォームです。
- 向いている人
- 事務・アシスタント、データ入力、チラシ作成、ロゴ作成、営業資料作成、Webサイト作成、動画制作、翻訳、システム開発など、様々なフリーランスの人に対応しています。
- 専門のレベル
- 初心者から経験者まで、どんな人でも参加できます。仕事募集は大量に見つかります。

クラウドワークスは、ランサーズと同様に、パソコンを使って仕事をする人の仕事募集が多いサービスです。
仕事は、プロジェクト形式、コンペ形式、タスク形式とあります。
プロジェクト形式は、応募者の中からクライアントが選定したフリーランスが、契約後に仕事を始める形式です。この形式には、契約時に金額を決める固定報酬制と、稼働時間に応じて報酬が支払われる時間単価制があります。
コンペ形式は、募集に対してフリーランスが成果物を提案し、採用された場合に報酬が支払われる形式です。
タスク形式は、応募者の選定なしにクラウドワークス上で作業を行い、納品後に報酬が支払われる形式です。この形式は、単純作業が多くなります。
手数料は、以下の通りです(いずれも税込)。
- 契約金額20万円~:5%
- 契約金額10万円~20万円:10%
- 契約金額~10万円:20%
- タスク形式:20%
手数料はランサーズと同じですので、ランサーズとクラウドワークスと、同時に使ってもそれほど混乱しません。ただし、20%の手数料がかかる少額の案件を続けていては、継続的にビジネスを維持することがし難いことに、注意が必要です。
3. ココナラ
ココナラ は、スキルや経験をサービスとして出品し、売ることができる、スキルマーケットです。
- 向いている人
- デザイン、イラスト、Webサイト制作、動画編集、プログラミング、ライティング、ビジネスサポート、集客、翻訳から、悩み相談・カウンセリング、就職・資格、恋愛・結婚、美容・ファッション、趣味、占いなど、あらゆるスキルが対象となっています。
- 専門のレベル
- ある程度の専門スキルは求められますが、フリーランスの仕事を探すこともできますので、初心者でも可能です。

ココナラはスキルを売ることができますし、規模は若干小さいですが、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングと同様のサービスもあります。

手数料は、支払額の22%となり、若干高めですので、高額の取引の場合ほど大きな金額が報酬から差し引かれます。ただし、スキルマーケットでは、販売額を自分で決められますので、一概に手数料が高いとは言えません。
スキルを商品として販売するには、洗練された商品名、商品画像、説明文を考えることで、引き合いがよくなります。売れる商品説明を試行錯誤して練り上げるのが大きなポイントです。
スキルマーケットは、一度最適化した商品をつくれば、クラウドソーシングのように地道な営業活動をしなくとも、収入が得られるのが大きなメリットです。
4. 無料で仕事を受ける
報酬をもらえる仕事の獲得に苦労しているなら、無償で仕事を引き受けて、ポートフォリオを充実させましょう。顧客から見ると、実績がほとんどない人よりも、ある程度の実績がある人のほうが、仕事を依頼しやすいからです。
- 向いている人
- 最低限のスキルを持っている人
- 専門のレベル
- たいていは初心者レベル
フリーランスを始めたばかりの人や、キャリアの方向性を変えて新しい分野にチャレンジし始める人もいるでしょう。こういう場合には実績がないのが普通で、ポートフォリオが空白になっていることもあります。
無料での仕事はよくないと思われがちですが、今後の集客のための投資と考えれば、よくないこととは限りません。
仕事を依頼しようと考えている顧客は、必ず相手のポートフォリオを確認しますので、ポートフォリオWebサイトは必ずつくっておきます。簡単に使えるWebサイトビルダーは数多くありますし、今後ビジネスを拡大していくことやスキルアップを考えて、WordPressでポートフォリオサイトをつくるのもよいでしょう。
ブログを書いて信頼を集めることも考えましょう。Amazonアソシエイトなどのアフィリエイトに登録しておけば、多少なりとも定期収入が得られます。ブログ記事は専門に関わる質の高いものでなければなりません。そうすれば、将来、仕事に応募する際に、他の人に差をつけることができます。
友人や知人などに声をかけたり、地元企業や非営利団体にも働きかけてみるべきでしょう。「なにかご入用のことはありませんか?ポートフォリオに実績として掲載し、インタビューを受けてくれたり、SNSで紹介してくれるのであれば、無料で仕事をします」などと交渉してみるのもよいでしょう。
無料での仕事は、マーケティング活動の一貫です。無料で仕事をし続けるわけにはいきません。ポートフォリオを充実させるために仕事をしているのを忘れないようにしましょう。無料で仕事をしたのをきっかけに、将来、他の仕事を頼まれたり、別のクライアントを紹介してくれるかもしれません。そのために、自分のWebサイトはつくっておきましょう。
プロダクトデザイナー、Webデザイナー、ネイルアーティスト、イラストレーター、カメラマン、陶芸家、モデラーなど、クリエイティブな仕事をしているアーティストは、ぜひ、自分の作品を紹介するWebサイトをつくりましょう。
フリーランスの仕事をオンラインで受けるメリット
フリーランスの仕事に慣れてきたら、企業に電話をしたり、電子メールマーケティングなどで集客をしてもよいでしょう。ただし、最初のうちは、仕事に慣れる意味でも、フリーランス向けのクラウドソーシングサイトなどの仕事プラットフォームを使うのをお勧めします。
クラウドソーシングサイト経由で仕事をする、いくつかのメリットを挙げてみます。
- 競争力のある金額を知ることができる
- 相場はクライアントにもよりますし、ピンキリなのが実情ですが、ターゲットにしている業務がどのくらいの金額で応募されているかを見ることができます。クラウドソーシングサイトでは、総じて安めの傾向にありますが、ある程度の相場観を得られます。相場を知ることができれば、どのくらいの金額が競争力があるかもわかりますので、受注率を高めることもできるようになります。
- 他のフリーランサーを参考にできる
- クラウドソーシングサイトでは、他のフリーランスの人のプロフィールを見ることができます。仕事を多く獲得して評価の高い人は、どのようなプロフィール文にしているのか、どのような仕事に応募しているのか、レビューに対してどのような応答をしているのかなど、学べることが多いはずです。
- 支払いがある程度担保される
- 絶対に安全ということではありませんが、少なくとも、クラウドソーシングへの入金を確認してから業務を始められるので、安心です。評価が低かったり、身元のはっきりしない発注者には気をつけるべきでしょう。
クラウドソーシングサイトは、手数料が大きかったり、発注金額が低かったりするのは難点ですが、Webサイトを訪れれば仕事が大量に見つかり、サポートも充実していますので、手始めに仕事をするには最適です。
フリーランスとしての活動が軌道に乗ったら、少し落ち着いて将来の展望を考えるとよいでしょう。
例えば、SEOライティングの実績を積んだ人は、他社のSEOライティングで定期収入を得つつ、せっかく得意なことがあるのですから、自分のWebサイトを使って様々なビジネスを試してみるべきです。誰かにSEOライティングを教えるオンライン講座を開講したり、自分でWebサイトを立ち上げてアフィリエイトで収入を得たり、そのWebサイトを高額で売ることもできるのです。