低予算で効果を出すデジタルマーケティング戦略

低予算で効果を出すデジタルマーケティング戦略

今では、デジタル技術を使えば、顧客とのつながりを作りやすいので、誰でも起業しやすくなり、なおかつ、比較的コストのかからない方法でマーケティング活動ができるようになっています。

ただし、無数とも言えるデジタル技術があり、何から始めてどれを使っていけばよいか、判断に苦しむ場面が生じがちです。

初めに細かい戦術を組み立てようとせず、それより先に、どのデジタルマーケティング戦略を活用していくかを決めるべきでしょう。

ここでは、個人事業主・フリーランスや、零細企業、中小企業に適した、大規模ではなく小規模なビジネスに利用可能なデジタルマーケティング戦略を取り扱います。

小規模なビジネスで使えるデジタルマーケティング戦略は、以下6つになります。

  1. コンテンツマーケティング戦略
  2. インバウンドマーケティング戦略
  3. Eコマースマーケティング戦略
  4. ペイドメディア戦略
  5. ローカルマーケティング戦略
  6. 統合型マーケティング戦略

1. コンテンツマーケティング戦略

デジタルマーケティングにおいては、オーガニックメディアとペイドメディアとを分けて扱い、コンテンツマーケティング戦略はオーガニックの戦略です。

商品やサービスあるいはブランドを、顧客が認識できるようにし、顧客を惹き付けるために、魅力あるコンテンツを作成し、配信することが、コンテンツマーケティング戦略です。

コンテンツのアイディア、コンテンツ制作、ソーシャルメディア対策、検索エンジン対策(SEO)、コミュニティ運営、オートメーション、競合の調査分析などの戦術が必要となり、アウトリーチマーケティング戦略と組み合わせてより効果を発揮します。

新たなマーケットを作るという壮大な目的があって、全くオリジナルのコンテンツを作成するのであれば別ですが、作成するコンテンツの内容は、インターネットにすでに存在するコンテンツですので、既存コンテンツより優れた内容のコンテンツを作らなければなりません。

そして、コンテンツ分析のためのリサーチツールを導入し、検索エンジン対策(SEO)でオーガニック検索からの流入を増やし、ソーシャルメディア管理ツール使ってSNSでリーチを増やすなどの対策をしていきます。

2. インバウンドマーケティング戦略

インバウンドマーケティング戦略は、コンテンツマーケティング戦略を含めたマーケティング戦略で、購入までの意思決定サイクルが長いB2Bの場合や、込み入った複雑な製品やサービスの販売によく使われます。

ブログ記事、動画、ウェビナー、ライブセッション、ホワイトペーパー、電子書籍などの形でのコンテンツマーケティングは、顧客がこれらに触れることによってビジネスへの関心を高め、バイヤーズジャーニーの過程を経て、通常、電子メールの登録や、ソーシャルメディアでのフォローを経て、クライアントになってもらうために使われます。

マーケティングファネルを活用して顧客をクライアントに変え、また、バイヤーズジャーニーやカスタマージャーニーの過程をマーケティングオートメーションで自動化し、ビジネスの継続を目指します。

3. Eコマースマーケティング戦略

Eコマース(EC、電子商取引)マーケティング戦略では、製品やサービスを販売するECサイト(オンラインストア、ネットショップ)へのトラフィックを作り出し、増やしていくことを目指します。

オーガニックトラフィックと検索エンジン最適化(SEO)に焦点を当てるという点では、インバウンドマーケティング戦略に含まれます。そして、オーガニックに加えてペイドメディア、すなわちFacebook広告やGoogle広告を組み合わせ、ターゲット顧客のECサイトへのアクセスを促進します。

顧客がECサイトにアクセスしたときのユーザーフレンドリーなWebサイトも重要ですし、顧客の生涯価値を最大化するための顧客関係管理の施策も重要となります。

4. ペイドメディア戦略

ペイドメディア戦略もまた、顧客を製品やサービスに引き寄せるという意味で、インバウンドマーケティングに含まれるでしょう。

コンテンツマーケティングを行って、すでにオーガニックなアクセスが十分発生しており、売上に貢献しているのであれば、さらなるビジネスの促進のために、ペイドメディア戦略を採り入れるのは、理にかなっています。もちろん、ペイドメディアを利用するには収益性を考慮する必要があります。

ペイドメディア戦略には、大きく分けて常時稼働と一時稼働の2つのマーケティングキャンペーンがあります。

常時稼働のキャンペーンは、ブランドを広める目的で、常に広告を出しておくもので、一時稼働のキャンペーンは、イベントやプロモーション、季節などのタイミングに応じて、収益性の高い特定期間のみ広告を出すキャンペーンです。

5. ローカルマーケティング戦略

ローカルマーケティング戦略は、小売業者にとって有効なマーケティング戦略で、商圏内の顧客のトラフィックを誘導することが戦略の主旨です。

GoogleやFacebookのプロフィール、TwitterやInstagramなどのリアルタイムSNS、位置情報を利用したモバイル広告、電子メールなどを組み合わせたものとなります。

地域消費者の調査によると、2020年、93%の消費者はインターネットを利用して地元のビジネスを探し、73%は毎週検索し、34%は毎日検索していました。2020年はCOVID-19(新型コロナウィルス)において、政府や行政のずさんな対応の影響もあり、地域経済に悪影響を及ぼしていますが、2020年には地元企業のオンラインレビューを参照する消費者が87%に上り、ますます増加しています。

ローカル検索で顧客に見つけてもらうには、業種に応じた各種のオンラインディレクトリに登録するとともに、Googleマイビジネスにビジネス情報を登録することが有用です。

そして、ターゲット顧客に合わせた時間帯をもとに、TwitterやInstagram、LINEなども含め、リアルタイムの情報提供で、地理的な情報提供に加え、時間的な情報提供を補完していきます。

また、Google広告のジオターゲティング広告や、Facebook広告の広告エリア指定での広告によるアプローチも検討すべきでしょう。

やはりこの戦略でも電子メールマーケティング戦略を組み合わせるのは有効で、既存顧客のデータを有効活用して、直接顧客とコミュニケーションを取れるように、ロイヤルティプログラムなどを用意して、電子メールリストを作り上げるべきです。

6. 統合型マーケティング戦略

統合型マーケティング戦略は、様々な戦略を組み合わせ、マーケティングファネル全体を取り扱い、顧客をクライアントに変えるだけではなく、ブランド構築や、製品やサービスの認知度を高めることも重視します。

統合型マーケティング戦略は、一般的には以下の戦略すべてを考慮に入れます。

  • コンテンツマーケティング
  • ソーシャルメディアマーケティング
  • ペイドメディア(有料検索広告、有料ソーシャルメディア広告)
  • 電子メールマーケティング
  • インフルエンサーマーケティング

様々なマーケティング戦略を組み合わせて実行するこのマーケティング手法は、一般的に、リソースが限られる小規模なビジネスには適していませんが、綿密な計画と自動化により実行可能となると、長期的には優れた結果を生み出します。

その他の戦略について

パーソナルブランディング、グロースハック、ソーシャルコマース、統合型マーケティングに含めたインフルエンサーマーケティングなど、とても魅力的な戦略がいくつもありますが、リソースが限られる中小・零細企業、個人事業主・フリーランスにとって、いたずらに戦略を増やすことは避けるべきでしょう。

ただ、十分に調査し検討し、または、小さくテストして効果が見込めるのであれば、主要な戦略と同時に行うのも、あくまでもゆっくりと行うことを念頭に置いて、実践してみるのも手です。場合によっては、今行っている主要な戦略より効果を得られることもあります。

ただ、ここ最近、非常に普及しているインフルエンサーマーケティングについては、時間と資金を投じる必要があり、必ずしも成果が得られるとは限りませんので、慎重に検討する必要があります。

重要なことは、戦略の構築に時間をかけ、戦略を決めたら、その戦略に適したマーケティングツールを使い、可能な限り自動化して時間をかけないようにすることです。

芦屋 ときお

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ソフトウェアエンジニア(フルスタック、主にWeb系)。HTML, CSS, JavaScript, TypeScript, PHP, Python, Go, Vue.js, Express, Node.js, Nuxt, Next.js, Laravelなど。C#, ActionScriptも。デザイン、デジタルマーケティング。